「バイオメトリクス」っていうのはなんのことだかわかりませんが、例えば指紋の一致/不一致で本人認証をする技術、といわれれば「ああ、よく映画で見るようなアレね」というぐらいの認識は持っています。
さて、スラッシュドット ジャパンへのタレコミ によれば「ある日本の技術者が国際電気通信連合( ITU )のセキュリティーに関するワークショップで、あらかじめ作っておいた指紋の付いたゼラチン製の指先を使って、市販の指紋読み取り装置をあっけなく突破して見せた」そうです。
面白いのはそのタレコミに対するコメント中に紹介された「週間バイオ」の記事で、上記引用文中の「ある日本の技術者」がデスマスク制作と同じような要領で人工指を実際に制作して見せてるんですね。他にもいろいろと難しいこともあるようなのですが、わりと単純なお話に基づいて指紋読み取り装置というのは作られているみたいです。
指紋を使った本人認証、というと「犯罪者たちは他人の指をキーチェーンにぶら下げて街を練り歩いているのだ…」と誰もが想起してしまうものですが、そんな素敵に猟奇的な時代はやってはこなかったのです。網膜による本人認証、というとさらにその素敵な猟奇ぶりは増したものでしたが、指がいけるのなら眼もいけるのでしょうね。現実の味気なさに打たれたお話でした。