日記はScrapboxに移動しました。

そのスピードで

VAIO U を注文したことは 先日ここに書いたとおり なのですが、いまだに届かないので、パンフレットに掲載されている原寸大の写真を切り抜いて、持ち上げてみたり、キーボードをたたくまねをしてみたり、傍から見たらちょっとアレなんじゃないか?というようなことをしています。

急いてはことをし損じる、などという言葉がありますが、こんなエピソードはどうか。

柄谷行人の運転はあの中上健次ですら恐れさせたといいます。というのも、柄谷にとっては、運転途上の道行きなどどうでもよく、ただただ目的地に、最速・最短距離で到着したいのだと。それでとんでもなくむちゃな運転をするのだそうです。

ふと思い出すのは、29 歳で早世してしまった偉大なるサックス奏者・阿部薫が残したこのフレーズ。

ぼくは誰よりも速くなりたい

寒さよりも、一人よりも、地球、アンドロメダよりも

どこにいる、どこにいる

罪は、

阿部薫 1949 – 1978』 より

酒場でコースターに書き殴られた詩。いや、詩を超えた、スピードそのものの具現。僕がスピードに憑かれ、性急さに身を委ねてしまうのはそんな彼らをこよなく愛するからなのです。速いこと、生き急ぐこと、可能性の中心を常に射抜くこと。

以上、VAIO U を待ちきれなくて一人遊びをしてるのは思想的な行為なのであって、断じてアレなことではない、という口上を述べてみました。

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