友人に貸していた『動物化するポストモダン?オタクから見た日本社会』(東浩紀・著、講談社現代新書)が戻ってきたのでところどころを読み返しています。この本の第3章でHTMLに触れて、こう書かれています。
HTML には、文字列の役割を直接に指定するタグがいくつも定義されている。印刷媒体ではこのような役割は、視覚的なデザインを通して間接的に伝えられるほかなかった。(中略)しかし HTML は、そのような役割すら見えるものにしてしまう。
同書 p.150 より
この本の主題である「データベース」とは、本書がいう意味においては関係があまりない記述なのではないかと思いますが、それはそれとして、僕のような本好きからすればはっとするような内容を含んでいる気がします。
5 月 25 日の日記 でもすこし触れましたが、文章がはらんでいるとされる「要素」を抽象化して抽出するということがどこまで可能なのか。なんか、ずっとそんなところをぐるぐる考え続けている気がします。ま、ありていにいえば、蓮実重彦が『表層批評宣言』を HTML で書いたらどうなるか? とか、ね。