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気絶するほど悩ましい(古

今日はせっかくのお休みの日だというのに頭が痛くてうんざりです。なんにもやる気が出ないので、寝て暮らします。「なにかいいクラッシックの CD があったらば貸せ」という友人に、これならまぁつまらないということはなかろうと思い貸与したグレン・グールドの「ゴルトベルク変奏曲 ’81 年版」が返ってきたので、そればかりずっと聴いていました。

おそらくは目の疲れや肩凝りからくる頭痛に苛まれているときはいろんなことに感覚が敏感になっていて、ひさしぶりに聴くそのあまりにも優美な調べにうっとりとしていると時々感極まってしまい、急に息苦しくなってがばっととび起き、呼吸がうまくできているかどうか確かめなければならなくなるのです。

鑑賞した作品について、論理的な分析をもとにした批評的言辞を吐くのをやめてどれくらいになるのだろう。おそらくは音楽を真剣に聴くようになってから僕の芸術に対する態度は一変してしまい、いまでは精神をどれだけ変調させられるかに評価の軸が偏っていて、それゆえ感想を書くにしても「?を読んで絶望的な気分になった」とか「?を聴いて踊ったら楽しかった」とか印象批評というか印象そのものをつたない言葉で書きとどめておくことしかできなくなり、大変にマズいことだとは思うものの、いまはまだリハビリの途中なのです。

とはいえ批評を否定するどころかむしろそれらを読むのが好きで、上記したような消費生活を送っていれば当然のことなのですが、「作者」が創造した「作品」があってそれを僕が消費するという前提はあるにしろそれ以上の楽しみを得たいと常に思っているのであってみれば、批評的な言辞やゴシップや謎解きやその他諸々の周辺的事項をぐだぐだに放り込んだ世界そのものの力にうっとりとしたい。窒息してしまうほどの感情の昂揚に耽る頽廃を生きることをどのように言葉で以て書きあらわせばよいのか。

…という文章を以て、音楽と映画のページを放置していることに対するいいわけに代えようといま思いました。いや、このサイトってば立ち上げ当初の目論見では芸術批評サイトになるはずだったのですが、僕の興味がどんどん Web 関連のお話の方へと移ってしまったので。

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