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中間発表

レッシグたん の『CODE』『コモンズ』のうち、とりあえず第一弾であるらしい『CODE』から読み始めているのですが、こりゃえらく面白いですよ。ヤバい。まだ第 2 章までしか読んでないのでアレなんですが、ちょっと引用。

サイバー空間にはふるまいの規制は存在するけれど、その規制はおもにコードを通じて適用されている。サイバー空間の中のいろいろな場所を区別するのは、おおざっぱなコードに反映されている規制のちがいなのだ。一部の場所では、生活はそこそこ自由で、ほかの場所ではコントロールされていて、そのちがいは単にコントロールのアーキテクチャの違いでしかない?つまりコードの違いだ。

CODE』(Lawrence Ressig・著、山形浩生・柏木亮二・訳、翔泳社・刊)p.36 より

例によって「訳者あとがき」をカンニングしたので先回りしていうと、世の中に対する「規制」には法律や社会規範や市場や物理的な条件(これが サイバー空間 上では CODE ということになる)があるということなのだけど、近年話題になっている音楽ファイルのコピー対策問題に即していえば(以下の文は、僕が勝手に話を広げてます。第 2 章では話はそこまで進んでないし、僕の理解がすでに間違っているかもしれない)インターネット以前には物理的な条件ってのは変え難いものとしてあった(コピーしたカセット・テープを郵便でいちいちやりとりするのは面倒、とか)ので、そういうのはわりと法律や社会規範や市場による規制の下で動いていくような話だったんだけど、いまはインターネットで以て MP3 にエンコードした音楽ファイルが簡単に出回っちゃう。

それはつまり(つか、かなり端折って説明しているので乱暴過ぎる整理になってしまってますが…)コントロールのアーキテクチャの違い が法律やその他の規制よりも強くなってしまっているということで、だから音楽ファイルのコピーをやめさせようと思えば、法律をどうこうするってのはもちろんのこと、逆の方向へアーキテクチャ自体を変えてしまえばいいじゃんってなわけで、コピー自体をできなくすればいいとかいっていまそういうことを各社やりつつあるわけです(こないだのソニーの件にしても、2 回目以降のコピーにはネットを通じた認証に基づく課金をするということだし)。

ということは、音楽ファイルを違法に流通させられるのも、それを全面的にダメにし得るのも コントロールのアーキテクチャの違い ということで、そういう世界において「自由」ってのはじゃあどういうことなの? ってな話がこれから展開されるんじゃないかなぁ、というのがいまのところの流れ。もちろん、それはこの本の主題のひとつであって、本当はもっと広範な話題を扱っているのですが、特に興味がある部分が上記したことなのです。

…うーん、やっぱりもすこし読んでからまとめりゃよかったかなあ。ともあれ、ヤバ過ぎる本だということはお伝えしたかったのです…ということで。

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