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隣家の火事

母が明らかにテンパった感じで僕をなんどもなんども呼ぶのでなにごとかと思って急いでいってみれば、留守にしているらしい隣家の二階から火がでていて、ばんばん音を立てて窓ガラスがはじけ飛んでいるし、ものすごい煙が立ち上がっているしでわりと危険な状況だったのですが、見た感じではいくらなんでもこちらに燃え移ってくることはあるまいと思ったけれどとりあえず危険なので外へと避難、(お隣さんは商店なので)一階の店の方へまわってみると、すでにひとがわらわら集まっていて、屋根の上には火が立ちのぼっている。

すぐに消防車がやってきて消火をはじめたのでただぼーっとなりゆきを見守るしかなくて、僕はといえば、やっぱり慌てていたのかそれともすぐに消火されるだろうと多寡をくくっていたのか、スウェット・シャツ一枚のかっこうでいたものだから、ただただ寒くてね、往生しました。ますます火の勢いは強くなるばかりで、なにか大切なものでも持って出りゃよかったなと思ったのも後の祭り、けれどもいざというときに持って出られるようなものなんてなにも思いつかなかったり。

唐突に怒号が響きわたって、見ればひとりの若者が警官に食ってかかっているのでした。危ないから入らないように、と体を押されるかなんかされたのでしょう、そのことが気にくわなかったようで、その後 30 分ほど押し問答をくりひろげていて、警察のほうも、目の前でわんわんと火が燃えさかっている中、ガキ一個のために人員を割かれるのもアレだということか、適当にあしらっていたのですが、懐中電灯を叩き割ったり殴りかかったりの乱暴狼藉を働かれては、ついに羽交締めにした後、彼はパトカーで連れ去られていきました。

煙がもうもうと立ちのぼるその家の中からは、信じられないほどの水がとめどなく流れ出していて、それでも消防士が落ち着きを取りもどす気配はまるでなく、トイレにも行けないのでそのあたりで用を足したり、ちょうど外出中だった祖母がなにも知らずにこの状況に出食わしたりなどしたら腰を抜かしかねないなあなどとやきもきしたり。

その後もひたすらぼーっと眺め暮らし、出火から約 2 時間を経て、ようやく火が鎮まったということで家の中に入ることが許され、いまこうして文章をタイプしているのです。それにしても、あのように燃え、水をまかれ、それが仮に僕の部屋であれば、本も CD もパソコンも全てが台無しになるだろう。本当におそろしいことだ。余所さまでもそれぞれの事情に即していろいろアレだったろうから、いいも悪いもなく、なんともいえず悲しい気持ちでいっぱいになりました。

結論としては、冬は空気が乾燥していて火事が起こりやすいので気をつけないといけないなあと思いました、という感じ。元より面白い話でもないのでオチがないのは当たり前、ということでひとつ。

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