髪の短い少年ふたりがなにごとか楽しそうに語らいながら歩いていたのだが、そのひとりが唐突に「ここに俺の血がついている」と声を低くしていう。勝ち誇っているかのような響き。海と歩道を隔てるコンクリートの壁の地面すれすれのあたりにひっそりと数滴分の流血の跡が見える。