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菊地成孔『スペインの宇宙食』他

スペインの宇宙食
スペインの宇宙食
心理学化する社会
en-taxi No.03 AUTUMN 2003
  • 特集:2003 年秋 遙かなる、京都の発熱。
  • 雑誌
  • ISBN:4564603416
  • 03/09/27
  • 476 円
  • 扶桑社
ユリイカ 2003 10

なんかダメになって本を読めないので、ほとんど読んでないのですが…。

とはいえ『スペインの宇宙食』を読むとついうっかりと「読むことの快楽」なんて陳腐な言葉を発してしまいたくなるほどうっとりとしてしまいもし、かと思えば汗をかかずに踊るような静かな熱狂が湧き起こり涙ぐむのを僕は押さえようともしないのです。本を読むということがなににも勝る快楽だということを再認識させてくれる、有り難い書物。

ところで、「図書新聞」で連載していた小説が収録されてなかった…。あれ、もいちど読みたかったのになぁ。

心理学化する社会』はねぇ、なんつーかげんなりする話ばっかりだなぁ。いや、著者がいけないのではなくて、そういうのにはうんざりだというだけの話。しかし、「心理学化」な方々は通俗的に「動物化」を語ってるってことなんじゃないかとか思った。なんか変な絵を見たら萌えーってのを「動物化」っていうなら、なんか酷い目にあったらカウンセリングしましょうってのが「心理学化」。同じことだ。いずれにせよ、貧し過ぎて耐えられない。

en-taxi No.03 AUTUMN 2003″ は、特集タイトルだけ見るとなんか京都観光案内みたいな感じだけど、実際は保田與重郎特集。保田さんは 1910 年生まれなので『日本の橋』や『英雄と詩人』を刊行したのは 26 歳の頃で、すごいなぁと思いつつぐうたらしてるうちに 26 歳を過ぎようとしており、保田與重郎文庫はいつの間にか全 32 巻で刊行終了(当初は 24 巻構成だった)していた…。しかも、『後鳥?院(?補新版)』なんて品切れしてて現在のところ、増刷の予定はございませんて…。あぅー。

「ユリイカ」の特集は禁煙云々に反対するよってな趣旨。冒頭、文化人(つっても、ユリイカ的わりとハイアート指向)へのアンケート(喫煙者アンケート「煙草とエクリチュール」)が面白い、っつーか、アレ。質問は以下の 3 項目。

  1. 現在お吸いの銘柄は何ですか。一日に何本くらい吸いますか。
  2. 執筆活動と喫煙行為とは関係がありますか。
  3. 煙草について、現在気になること、心がけていらっしゃることがありますか。

上の 3 番目の項目についての小谷野敦さんの回答が面白かったので、ちと引用してみるよ。

千代田区の路上喫煙禁止条例は憲法違反なので(自動車を走らせるのは良くて路上喫煙がいけないのは十四条違反)。課金されたら行政訴訟を起こそうと思ってわざわざ吸っています。が、なかなか捕まえてくれません。

憲法違反なのかどうかはよくわからないのですが、ぜひとも期待したいところ。また、千代田区問題については、同項目への回答にて蓮実重彦さんも触れている。

喫煙について意識的になるのを避けるために、「気になること」や「心がけること」は持たないことにしていますが、千代田区で吸ったわけではない吸い殻をわざわざ千代田区の歩道に捨ててまわるときなど、やはり何かを「心がけている」のかもしれません。

やはり、蓮実先生は偉大だ。

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