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いとうせいこう『想像ラジオ』

想像ラジオ

想像ラジオ

いとうせいこうさんによる久々の長編小説。芥川賞の候補にもなった。

正直いって、僕にはこの小説がほとんどわからなかった。もちろん、著者が真摯な気持ちで書いていることは疑いようもないのだし、それはとても素晴しいことだと思うけれども。死者の声を聴くに際して、自分ではそのようには感じられない。

著者や、ひいては日本人にとって、というような大上段な構えでものをいうようなことはあり得ないけれども、少なくとも自分にとって、いま必要なのは想像力よりも知識だ。小説中「平凡な」21歳の女性のエピソードが胸を打ったが、たとえばそうした人々ひとりひとりについての知識。

そうした「知識」への感受性を「想像力」だというのだとしても。

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