光文社古典新訳文庫が半額セールをやっているので何冊か買ったうちの1冊。今回初めて読んだ。とてもよかった。特に、(多くのひとがそうであるだろうように)以下の一節に感嘆を覚えた。
そして王子は、キツネのところに戻ってあいさつした。
「さよなら……」
「さよなら。じゃあ、秘密を教えてあげよう。とてもかんたんだよ。心で見なくちゃ、ものはよく見えない。大切なものは、目には見えないんだよ」
「大切なものは、目には見えない」ちいさな王子は、忘れないようにくりかえした。
「時間をかけて世話したからこそ、きみのバラは特別なバラになったんだ」
「時間をかけて世話したからこそ……」ちいさな王子は、忘れないようにくりかえした。
「人間はこんな大事なことを忘れてしまったんだよ」とキツネはいった。「でも、きみは忘れちゃだめだよ。自分がなつかせた相手に対して、きみはいつまでも責任がある。きみはきみのバラに責任があるんだよ……」
「ぼくはぼくのバラに責任がある……」ちいさな王子は、忘れないようにくりかえした。
その「バラ」とは、コンスエロのことなのだろう。

- 作者: サン=テグジュペリ
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2012/02/10
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