今月は15冊.本を読む時間をあまり取れなかった.

★5本

★5をつけたのは,『狂うひと ──「死の棘」の妻・島尾ミホ』のみだが,この本はヤバい.刊行当初から読もうと思いつつ放っておいていたのだが,先月『混血列島論 ポスト民俗学の試み』を読んだことで,その中でも紹介されている島尾ミホへの興味が再燃して読んだのだった.本人や息子の島尾伸三さんへの聞き取りや膨大な資料の博捜に基づき,かつ,現代的なバランスのある解釈(奥野健男や吉本隆明的な幻想がないという意味で)により,島尾ミホの新たな姿を描けているように思えた.余勢を駆って『海辺の生と死 (中公文庫)』も読む.

その他

落合陽一さんの新刊『デジタルネイチャー 生態系を為す汎神化した計算機による侘と寂』は,最近の東洋思想への傾倒の流れに(個人的にものすごく共感するのではあるが,しかし)やや警戒を覚えつつも,『魔法の世紀』に引き続き必読本.その他,『はじめての沖縄 (よりみちパン! セ)』には,あらためてフラットな目線を喚起されたし,『近代日本一五〇年――科学技術総力戦体制の破綻 (岩波新書)』には明治日本の後進国的な技術信奉がその後ずっとものの見方に影響していることに驚かされた.

kentaroの本棚 – 2018年06月 (15作品)
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