そろそろ会期が終わりそうというタイミングになってようやく、森美術館へ塩田千春展を見に出かけたのだが、やたら並んでいるのでやっぱよすことにして、是枝裕和監督がカトリーヌ・ドヌーヴ主演で撮った「真実」を観ることに。

しばらく時間があるので、その間にcomplex665のシュウゴアーツ、小山登美夫ギャラリー、タカ・イシイギャラリーへ。特に、シュウゴアーツでの彫刻家・戸谷成雄さんの展覧会「視線体 – ShugoArts」が面白い。ここで展示されているものもそうだが、これまでの作品を少しふりかえって、こんな作家がいたんだなあと知る。

さらにペロタン東京、禅フォトギャラリーとめぐる。禅フォトギャラリーでは、たまたま手にとった益永梢子さんのAbstract Butterという小さな写真集がとてもかわいくて、購入。あとでWebサイトを観ると、絵画の成立条件を問い続ける姿勢と、同時にその作品のキュートな感じとの両立に面白みを感じて、よい作家さんと出会えたなあという気持ち。

映画館へ戻り、「真実」を観る。脚本も映像もソツがなく、非常にスムーズ(取り立てていうべきことがないともいえる)。役者陣がカトリーヌ・ドヌーヴ、ジュリエット・ビノシュという大物フランス女優、そして異物としてのイーサン・ホークのバカっぽいアメリカンな感じ(フランス語もまったくわからないし)、さらにはマノン役のマノン・クラヴェルのかわいらしさなど、それぞれの素晴らしさこそが見どころ。

帰宅して、『翻訳 訳すことのストラテジー』を読む。夕食にミネストローネを作って食べたりした後、さらに続きを読んで、読了。漢文訓読や多言語が入り混じった文学作品など、自分の興味のある分野についても触れられていて、そのあたりは自分でももっと掘ってみたいと思う。そういや今日観た「真実」もそうだけど、映画字幕は多言語での会話を無視して日本語のみにするか、よくてもフォントを変えるかぐらいで、もっと異物感を出してもよさそうなものだよなと思ったりした。