2020年12月14日

朝、昨日書いた『プログラミングElixir 第2版』の書評を公開した(「『プログラミングElixir 第2版』を読んでいまこそElixirに入門しよう」)。あんまり伸びないだろうなあとは思いつつ、コミュニティの方々が拡散してくださったおかげで、多少は広まった。しかし、この日記を書いている時点ではアクセス数が140程度で、全然読まれてない感じ。まあそんなものだろうけど、もう少し読まれたいところだよなあ。

Twitterに、余談のような話を書いた。書評に混ぜ込むと意味不明になり過ぎるのでいれなかった話。

WSA研でNervesについての発表があったのが11/13で、そこからElixirを始めたところちょうどこの本が刊行され、ありがたくもいただけることになり、この記事を書いたのがちょうど1ヶ月後の昨日で、この流れはもはや運命。正確に言えば、計画された偶然であるといえる。刻が満ちた。というとすごく独善的な世界解釈ということになろうが、わたくしにとっての世界とはそのような偶然によって開示される何事かで今まであり続けたし、これからもあるだろう。わたくしができるのは、そうした偶然性に最大限のっていき、世界を押し広げていくことである。そのようにして生きている。

もちろん、そのような偶然的な世界の開示は先達のみなさまによる営為によるもので、最大限の感謝を抱いている。そういう縁のようなことに感謝しながら、わたくしもまたそれを誰かに繋げ、また、新しい何事かを作り上げることによって、世界を押し広げていきたいとあらためて思うのであった。

今日は、Railsで開発をやってきたひとが、昨今のパラダイムシフトに対する焦燥感のようなことを述べるブログポストが話題になっていた。あんまりひとのいうことに左右され過ぎないほうがいいんじゃないかなあと思いつつ、いっていることはわかるし、考えるべきこともある。そのブログでは、Rails的なパラダイムからJavaScriptによる非同期処理パラダイムに自分が移行できてない焦りについて書かれていた。それに対して、Railsがどうのとかじゃなくて本質的な理解があれば横展開してやっていけるんじゃないかという意見もあり、そういうこともあろうとは思うけど、実はその考えではうまく行かないこともあるだろう。まさに、件のブログポストはパラダイムシフトへの乗り遅れについて書いているからだ。

Elixirのことにひきつけていえば、RailsでもNode.JSでもいいけど、そういうものとは全然パラダイムが異なっている。そして、それは「普通のWebアプリケーション」を書いているひとにとっては、とっつきやすいものであるとはいえないのは確かだろう(もちろん、勘のいい人はすぐ習得するのかも知れないが)。パラダイムシフトというのは、そういう形でやってくる。また、Webアプリを作るにしても、今後はますます機械学習への少なくとも基礎的な理解がないと、ただ使うだけで中身はブラックボックスになり、刀の柄を持つのではなく刃を持たされているという状況になるだろうと思う。開発だけでなくインフラについても、DataOpsを担うのが当たり前になってくれば、無縁ではいられない。そういうのもパラダイムシフトだろう。

そういう意味で、技術要素に過剰適応するのは問題ではあるが、かといって「本質」を押さえていればだいじょうぶだと安心することもまた、そもそもパラダイムシフトが起こり得るという視座が欠けたもののみかたである可能性もある。いざパラダイムシフトが起こってみると、いまは横展開でうまくやっている人々も、あっという間に置き去りにされてしまう。それは、技術要素に過剰適応するひととは、単にたまたまいま取り組んでいる技術がそういう流れになっていないというだけの違いなのかも知れない。そういう視座のもとに、目の前の必要性だけでない、視野を広げるための取り組みが必要なのはないか。そう思って自分は取り組んでいきたい。

少し違う始点で、人気投票みたいなので技術を語るのはあんまりいいことだとは思わない。ペパボにはhsbtさんという素晴らしいRubyコミッタがいるから、OSSへの理解度や活用度についてアドヴァンテージがあるだろうと思うけど、OSSだって人々の営みなのであるから、そこに対する敬意を払うことは必要なんじゃないかと思う。それは、上記したような先達の取り組みに対する「縁」のようなことをだいじにするという話とつながる。技術は、技術だけでは生きられない。人々の実践があってこその技術の価値である。そういうことを忘れないようにしていきたいものだ。

昨晩、寝る間際にElixirをビルドしてみるかとやってみたら、Nerves開発してるとMIX_TARGETという環境変数をexportしていることが多いのだが、その場合にElixirのテストが一部失敗するという問題があったのでpull requestを送ったところ、取り込んでいただいた。やったこと自体はたいした内容ではないが、OSSの楽しさを感じたなあ。

fix test failures when MIX_TARGET is set with a non-empty value by kentaro · Pull Request #10573 · elixir-lang/elixir

夜は、役員忘年会で麻布十番の「尾崎幸隆」。もちろん、個室完備で感染予防は万全。美味しかったなあ。もっとやっていかねばという気持ち。

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

CAPTCHA