日記は栗林健太郎のScrapboxに移動しました。

2022年6月26日

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朝、ジムへ行こうと思いつつあれこれやっていたら出かける時間になってしまった。今日は六月大歌舞伎の第二部。市川染五郎さんが「信康」で初主演を勤めている。Kが体調の懸念があって行けないかもというのだが、この時を逃したら何十年経っても後悔するから、なんとかいけるよう整えていこうといって連れ出す。時間がなかったのと、暑くてしんどいだろうのでタクシーを使ったのだが、たまたまやってきたのがアルファードのタクシーで、それで歌舞伎座に乗り付けるというのは、やたら贅沢をしている感じになる。

さてその「信康」は、花道から出てきた染五郎さんがピカピカに輝いていて、まさにスター誕生という趣。台詞回しは若々しさに溢れていて、口吻も明瞭でよい。信康というキャラクタの真っ直ぐさと染五郎自身が重ね合わされ、良い演目を選んだものだなあと感心する。鴈治郎とのやり取りで武田勝頼を打ち破るという展望を語る信康が「夢か?」と問うのに対して即座に「否!」と強く返事をするやり取りに、少し感極まってしまった。家康と対面してからのやり取りの熱さもいい。

妻役の莟玉さんは、可愛らしくも姑とやり合う強さも見せて、魅力的。対照的に、養叔父の魁春さんの姑は、上手からのそっと出てきた様子からほとんど化け物じみていて、対照的。家康役を勤める白鸚さんは、なんだかよたよた歩いているように見え、声も通らないし心配になったのだが、だんだん熱がこもってきた感じに思われた。それにしても信康の最後のシーンが、腹に刃を突き立てた後にすったもんだしたせいでずっと苦しむことになってしまっており、それもまた悲劇性を高めるのだが、それは周囲の人々のせいだろうと思えて、痛々しくて見ていられなかった(それはそれで迫真ではあったのかもしれない)。

木挽町広場の売店で舞台写真を4枚買った。ついに手を出してしまった。しかし、今月は写真が欲しくなってもしかたない素晴らしい出来だったしなあ。

さらに木挽堂書店で「劇評」の第3号を購入し、山野楽器のCD売り場によって山下達郎さんの新譜SOFTLYを購入(サブスクでは出ないので)。京都に住んでいた時に通っていたJEUGIA三条本店に雰囲気が似ていて、裕福な年配の方の趣味の場所という風情に、時間の経過を感じる。お茶しながら「劇評」を眺める。

帰宅してさっそく買ってきたCDを聴く。夕食をとりながら「鎌倉殿の13人」。いよいよ新時代に入っていく。その後は、ためてあった原稿作業。筆があまりのらず、思うように進まない。明日以降に期待して、あまり遅くならない時間に寝てしまう。

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