• 2022年6月26日

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    朝、ジムへ行こうと思いつつあれこれやっていたら出かける時間になってしまった。今日は六月大歌舞伎の第二部。市川染五郎さんが「信康」で初主演を勤めている。Kが体調の懸念があって行けないかもというのだが、この時を逃したら何十年経っても後悔するから、なんとかいけるよう整えていこうといって連れ出す。時間がなかったのと、暑くてしんどいだろうのでタクシーを使ったのだが、たまたまやってきたのがアルファードのタクシーで、それで歌舞伎座に乗り付けるというのは、やたら贅沢をしている感じになる。

    さてその「信康」は、花道から出てきた染五郎さんがピカピカに輝いていて、まさにスター誕生という趣。台詞回しは若々しさに溢れていて、口吻も明瞭でよい。信康というキャラクタの真っ直ぐさと染五郎自身が重ね合わされ、良い演目を選んだものだなあと感心する。鴈治郎とのやり取りで武田勝頼を打ち破るという展望を語る信康が「夢か?」と問うのに対して即座に「否!」と強く返事をするやり取りに、少し感極まってしまった。家康と対面してからのやり取りの熱さもいい。

    妻役の莟玉さんは、可愛らしくも姑とやり合う強さも見せて、魅力的。対照的に、養叔父の魁春さんの姑は、上手からのそっと出てきた様子からほとんど化け物じみていて、対照的。家康役を勤める白鸚さんは、なんだかよたよた歩いているように見え、声も通らないし心配になったのだが、だんだん熱がこもってきた感じに思われた。それにしても信康の最後のシーンが、腹に刃を突き立てた後にすったもんだしたせいでずっと苦しむことになってしまっており、それもまた悲劇性を高めるのだが、それは周囲の人々のせいだろうと思えて、痛々しくて見ていられなかった(それはそれで迫真ではあったのかもしれない)。

    木挽町広場の売店で舞台写真を4枚買った。ついに手を出してしまった。しかし、今月は写真が欲しくなってもしかたない素晴らしい出来だったしなあ。

    さらに木挽堂書店で「劇評」の第3号を購入し、山野楽器のCD売り場によって山下達郎さんの新譜SOFTLYを購入(サブスクでは出ないので)。京都に住んでいた時に通っていたJEUGIA三条本店に雰囲気が似ていて、裕福な年配の方の趣味の場所という風情に、時間の経過を感じる。お茶しながら「劇評」を眺める。

    帰宅してさっそく買ってきたCDを聴く。夕食をとりながら「鎌倉殿の13人」。いよいよ新時代に入っていく。その後は、ためてあった原稿作業。筆があまりのらず、思うように進まない。明日以降に期待して、あまり遅くならない時間に寝てしまう。

  • 2022年6月18日

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    10時頃起床。まだ右首筋からの頭痛がわずかに残っている。激しい頭痛にはならないかもしれないが、ずっと痛みの元が残っているのは非常に気分がよくない。

    肩こり対策のためにも自転車に乗ろうと思って整備してもらったので、ポタリングに出かける。皇居前広場まで出た後は、ぐるっと内堀をゆっくり回る。千鳥ヶ淵から番町の方へ出て、永田町から赤坂へ。普通に走ったら1時間もかからないだろう道のりを、あれこれ考え事をしたり、写真を撮ったりして、2時間かけて回った。ポタリングはやっぱり最高だなあ。楽しい。

    夕方、六月大歌舞伎「ふるあめりかに袖はぬらさじ」を観るために歌舞伎座へ。別の演目をやるはずだったのが、仁左衛門さんが帯状疱疹で休演となったため、急遽変更されたもの。2週間ほどで準備したというが、玉三郎自身は長くやってきたとはいえ、もっと登場人物の少ないものをやれば楽だったのではないかと思える、大きな芝居である。

    玉三郎さんの演じるお園が物語を回していく。世話焼きのお節介さと、花魁に気に入られないと御座敷に呼ばれないからという狷介さを持ち合わせたベテラン芸者としての立ち回りは、始終おかしい。一方で、歌舞伎的な台詞回しから外れると、ほとんどコントのような感じに聞こえる。しかし、そう思えてしまうのはいいことなのかどうか。一方で、河合雪之丞演じる亀遊は歌舞伎的な台詞回しで、17歳の可憐な花魁に見えるのだった。

    帰宅して、渡辺保『戦後歌舞伎の精神史』の続きを読む。実際に本人が観たのだろう場面であっても、子供の頃だろうしほんとにそこまで思ったのかねと思えるような実体験に基づく語りや、知り得ないような内面を見てきたかのように描くことなど、学問的な著作を期待すると肩透かしを食うのだが、それはそれとして歴史小説みたいなものだと思えばまあ面白い。

  • 2022年6月11日

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    朝起きると、また首こりがしている。おととい鍼灸科に行ってきたばかりなのに。枕があってないのだろうか。枕は、計測したものも含めてあれこれ試してみて、結局今使っているニトリのものが相対的にマシということになったのだが。首が短いから、既存のものがあまり合わないんだろうなあ。しかし、枕云々より運動をするべきなんだろう。頭痛になりそうなので、ロキソニンを飲む。

    歌舞伎座へ。六月大歌舞伎の、「菅原伝授手習鑑」から「車引」と、「猪八戒」。前者は、推しの中村壱太郎さん、坂東巳之助さんがそれぞれ桜丸と梅王丸。壱太郎さんは優雅だし、巳之助さんは若々しい男ぶりが凛々しい。尾上松緑さんの松王丸は、ひたすら強そう。迫力がある。ラストの、猿之助さん演じる藤原時平は、ほとんど妖怪みたいな感じで笑ってしまった。

    そして「猪八戒」は、猿之助さんの独壇場。踊りも顔芸も素晴らしい。応える猿弥さんの霊感大王もいい。そして何より素晴らしかったのは、女怪・紅少娥を演じる笑也さん。スッポンから上がってきた姿が、あまりにも完璧な美形。少女漫画から抜け出してきたかのようだ。ひたすら見惚れてしまった。最後の乱闘シーンも、わちゃわちゃと楽しく、最後のポーズも決まっていた。はー、笑也さんをずっと観ていたい。笑也推しの演目をまた願いたい。

    Kのお母さんともども、文明堂でランチ。例によってハヤシライスを食べる。デザートには、カステラを使ったフルーツサンド。お腹にインパクトあり。その後、お茶していたのだが頭痛の残りがぶり返してきたのにともないめちゃくちゃ眠くなってきて、ほうほうの体で帰宅。すぐに寝る。

    Kindleで購入した川原繁人『フリースタイル言語学』を読む。著者は近年の音象徴研究を牽引する第一人者の方。共鳴音の方が女性らしさを感じるというのは実感としてもそう感じられるのだが、そうなるとそこにはジェンダーも絡んでくるはずで、音声学とジェンダーに関する問題も面白い話になりそうだと思う。

  • 2022年6月5日

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    準備して、国立劇場へ向かう。Kのお母さんと、半蔵門駅の入り口で待ち合わせ。今日は小劇場での催し。途中、楽屋の窓が大きく開いて丸見えで、中の人と目が合ってしまった。気まずい感じ。賑わっているロビーをうろうろしていると、Kが「あれ、幸四郎さんじゃない?」という。マスクをしているが、目力のすごいスーツの男性が劇場からロビーに歩いて出てくる。幸四郎さんがわざわざこんな人だかりの前に出てくるものかね?と思っていたのだが、やっぱり本人で、意を決した風に「お初にお目にかかります、ってちゃんといいなさい」と、子供に挨拶をさせる母親などもいた。

    今日観にきたのは「第5回日本舞踊 未来座 =才(SAI)= 日本舞踊『銀河鉄道999』」。元はというと、Kのお義兄さんのところで働いている方が出演するからということで、それならば観に行ってみようとチケットを購入したもの。日本舞踊にもこのところ大いに興味を持っていたので、ちょうどいい。漫画を原作にしていることもあり、2.5次元舞台のような雰囲気もありつつ、群舞を中心に流麗な音楽・照明構成された華やかな舞台は、踊り手の基礎技術の明らかな高さも相まって、非常に楽しい。「光星」という群舞をする集団の中の一人が、姿も表情もひときわ輝いているので、調べてみると松島昇子さんという方であった。注目していきたい。

    Kのお母さんを三越前まで送った後、「グリル満点星」で昼食。あれこれ注文し過ぎてしまったが、ゆっくり食べる。今日は、僕もKもそろってiPhoneを忘れて出てしまったのだが、暇つぶしという意味では不便はしないのだが、タクシーや電車に乗る際にSuicaが使えないのが一番面倒だった。食事をした後、電車で帰る。僕は少し寄り道をして帰ることにする。お茶しながら『ちゃぶ台返しの歌舞伎入門』の続きを読んで、読了。

    帰宅すると、あれこれ届いている。山本貴光『マルジナリアでつかまえて2 世界でひとつの本になるの巻』、宮尾登美子『きのね(上)』『きのね(下)』「歌舞伎名作撰 壇浦兜軍記 阿古屋」。ソファに埋もれながら、『マルジナリア〜』を読む。前作に引き続き、こんな本の読み方、使い方があるのかと驚くし、自分自身ももっと本を読みたくなる素晴らしい書物。ひたすら読み続けて、読了。

    さらに「阿古屋」を観る。筋などは知ってはいても芝居を観たことがなかったのだったが、ちょっと弾いてみせるというレベルではなく、かなりガチで演奏するので驚く。「玉三郎が語る『阿古屋』」によると、養父の12代守田勘弥にいわれて20歳の頃には演奏はできるようになっていたとのことで、驚く。その後あれこれあって、6代歌右衛門に認められて勤めたのが97年、47歳の歳。この記事にもある通り、児太郎などに伝授しようと教えているのだという。

  • 2022年5月20日

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    朝30分の研究タイムは、次の研究のアイディアについてアーキテクチャを検討する。作る分にはわりと簡単に作れそうなのだが、その何がいいのかというところをちゃんと述べるというのが重要になってくるところ。IOTS2022の締切が、例年通りなら8月末頃になるので、そこまでに論文を書けるといいなあ。ともあれ、やっていくうちに見えてくるところもあるはずなので、どんどんやっていって、出すところまで持っていきたい。しかし、国際会議にも1本は出さないとならないので、それも考えていかないとなあ。

    昼からは休みをとって、團菊祭五月大歌舞伎の第二部を観に行く。團菊祭のメイン、海老蔵による「暫」と、菊五郎劇団による「土蜘」。「暫」は、滑稽味を盛り気味の趣向。海老蔵の「しーばーらーくー」が聞こえてきた時は、やっぱりぞくぞくくるものがある。やっぱりこれがないと。花道でのつらねでは、久々の歌舞伎座とか、東京オリンピック以来とか、いうだろうと思ったセリフをしっかり言ってくれて、会場も盛り上がる。先日、2010年の第一二代團十郎の「暫」を観たこともあり、時の流れを感じる。音羽屋の「土蜘」は、睡眠不足のせいもあり、途中でうつらうつらしてしまったが、菊之助の優雅極まりない踊りに感銘を覚える。丑之助くんも、長丁場のところをしっかり務めていて、将来が楽しみである。

    スタバにこもって仕事の続き。さらにCTO協会でお手伝いしていただいているW氏との定例の1 on 1も。あれこれやっていただいて助かっているところ。

    その後は、もはや毎月恒例となった、衆議院議員のM氏による飲み会へ。oasis GRILL&ITALIANで。今日は鹿児島市長、県会議員、奄美市長などもいらして、鹿児島の都市計画の構想についての、裏話も含めたあれこれを聞く。様々なアクターがいる中で、構想を持ちながら、必ずしもそれを全ては実現できないにしても、なんとかより良い策を実現しようと頑張っているのだなあと知れた。

    その後、お茶しながらNext.jsのドキュメントの続きを読んでいく。まだサービスを作れるという感じはしないので、とりあえずあるものをひたすら読んでいって、全体感を掴みたい。帰宅すると、注文していた中沢新一『野生の科学』が届いていた。「野生」というキーワードについて、今一度考え直していきたいと思っているところ。昨今の行き詰まりを打開するという意味でも、重要な論点だという気がしている。

  • 2022年5月14日

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    朝10時過ぎに起床。昨晩は早々に寝てしまったので、まずは日記書きから。日記を書くのにもCenteredを使う。その勢いで論文のレビュー対応をしようと思ったのだが、Macの調子が悪いのが気になって、その対応を始める。ソフトウェアアップデートが中途半端になってしまい、支障をきたしている。セーフモードで入れ直したりなど。さらに、以前使っていたMacからファイルを移動させたりなど、Mac関連で懸案になっていたことをやったりした。

    そうしてると、先日注文したアイリスオーヤマ製のスマート電球が届いたので、セットアップをする。Wi-Fiは2.4GHz帯しか対応していないとあったが、うちのAPは5GHzとどっちも対応しているのでそのままセットアップを始めたら、全然繋がらない。それでいったん5GHzの方を無効にしたらいけた。これでだいぶ時間を食ってしまった……。そこさえすんなりいけば、セットアップは簡単でいい感じ。Hueは、電球だけでなく総合的な基盤となるべく作られたものだからZigbeeで通信するベースが必要だが、電球単体ならWi-Fiで直接繋いでしまえば良いという方が、シンプルで扱いやすいのは確かだ。

    新橋へ移動。お茶しながら新聞を読んだり、歌舞伎に関する本を読んだり。そうしているうちに、次の研究テーマのひとつとして考えていたことについて、いい感じのアーキテクチャを思いついた。早く実装したいところだ。うまいこと論旨を運べれば、良い感じになりそう。その後、銀座方面へ歩き、GINZA SIXの蔦屋で買い物。今尾哲也『歌舞伎 〈通説〉の検証』を購入。そこからさらに歌舞伎座方面へ。木挽町書店で「劇評」を買う。これは、雑誌「演劇界」が休刊してしまったので、劇評の火を絶やさないようにということで始めたものだという。

    さて、歌舞伎座は團菊祭五月大歌舞伎。第二部の海老蔵と菊之助は来週観るとして、今日は第三部を観るのである。

    まずは、「市原野のだんまり」。花道から現れた中村隼人が、パッと場内の方を向く仕草が、めちゃくちゃかっこよくてドキッとした。そしてこのお芝居には、一推しの中村莟玉が出る。牛の被り物をして上手奥から登場。踊りも衣装もとても可愛い。「まるる」感。最後あたりのぶっかぶりの衣装もいい。やや足元がおぼつかないことが何度かあったようにも思われたが、大した問題ではない。Kも気に入ったようであった。最終的に、全部まるるが持って行ったお芝居であった。

    そして「弁天娘女男白浪」。今回は「浜松屋見世先の場」と「稲瀬川勢揃いの場」。テンポ良くどんどん進んでいく。尾上右近と坂東巳之助のコンビは息がぴったりで、すごくあっている。右近の娘姿は、話し方も振る舞いも「お嬢様」という気品があって、素晴らしい。右近も巳之助も、とにかくフレッシュ。先日の六本木歌舞伎の海老蔵に比べてみても、彼などはずいぶん落ち着いていて、年季が入った悪党という感じがするのだが、この二人はもっと若い(当たり前ではあるが)。そして勢揃いで出てきた、中村米吉による赤星十三郎が可愛い!この5人による白波男は、ほんといいものみたという感じがする。

    最寄りの駅まで戻って、夕食。寒くもないし、雨も降りそうにないので、テラス席で食事。オレンジワインとビールを一本。Kが、今後のキャリアに悩んでいて、占いでもするかなどというので、そんなことするぐらいならコーチングを受ける方がいいと、知っている人のやっているサービスを進めてみた。すると、ずいぶん興味を抱いたようで、早速お試し登録をしていたのでよかった。

    帰宅して、論文の続き。レビューコメントをいただいた内容について、ひたすら対応。とてもありがたいことである。

  • 2022年4月29日

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    朝、寝過ごしてしまって、起きたら10時。急いで帰り支度をして、空港へ向かう。すると遅延ということで、出発時間が15分ほど伸び、頼まれていたお土産も買える余裕もあるぐらいになってよかった。機内では、ジェフ・ホーキンス『脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論』を読み始める。しかし、疲れもあって寝入ってしまう。だいぶぐっすり寝て、羽田に着陸する衝撃で目が覚めたほど。

    Kが鍵を持って実家へ帰っていて、帰宅するまで間があったので、しばらくお茶しながら『脳は〜』の続き。非常に面白い。脳が世界モデルを学習するみたいな話は今でこそ珍しい話ではないが、ニューロン内で常にたくさんの予測が並行して走っているだとか、ニューロンが物理的な座標系の情報を持っているだとかいう話は非常に面白く、確かにそういうことはあるのかもしれないと思う。読み進めるのが楽しみ。

    帰宅して超歌舞伎「永遠花誉功」を観る。2016年から「ニコニコ超会議」でやるようになった超歌舞伎を観るのはこれが初めてなのだが、思いのほか素晴らしくて、感激してしまった。オンライン配信で観たのだが、いつもはオフにしてしまうニコニコ動画のコメントも、大向こうの掛け声のようなものだと思うと楽しい。それに、初音ミクの踊りのシーンの映像の素晴らしさ!驚いた。中村獅童がロックコンサートのような盛り上がり方で、客を煽りまくっているのも面白い。

    2時間ほど睡眠をとった後、お土産に買ってきたShinShinのラーメンを食べる。かなり再現度が高くて、美味しい。食べながら、NHKプラスで「NHKスペシャル 戦後ゼロ年 東京ブラックホール 」を観る。敗戦後の東京の混乱を、当時の映像に山田孝之が入り込む演出も含むドラマ仕立てで描くという番組。闇市でのしあがった怪しげな面々の話が面白いのだが、中でも王長徳という人物に興味を抱いた。後で調べてみよう。

    研究も進めていかねばということで、コードにバグが残っているのを修正しようと調査。全然原因がわからなくて難儀したのだが、2時間ほどあれこれやって、解決できた。これでまともに動くようになったはずなので、次は評価のためのベンチマークをするためのコード書きに入れるはず。ゴールデンウィークは、ジャーナル執筆に捧げる。

    終わった後、超歌舞伎の本日13時の回を観る。最初の入鹿のぶっかえりのところが引きの映像になっていて、16時の回ではちゃんとあらためられていたのだということがわかった。横目で見つつ、市川染五郎のグラビアに加えて歌舞伎関連の記事が多く掲載されている「週刊文春 2022年5月5・12日合併号」をKindleで購入したのを読む。この調子で、歌舞伎のネタをもっと取り上げてほしい。

  • 2022年4月24日

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    昨晩も、なんだかんだWeb3まわりのことをやっているうちに時間が経ってしまって、3時過ぎまで。今日は、出かける用事があるので9時過ぎには起きて、準備をする。歌舞伎座へ、四月大歌舞伎。今日は第一部「天一坊大岡政談」。

    幕開け、花道から出てくる女方の役者さんが素晴らしく通る美しい声で語るのに、のっけから目を見開かされる。坂東新悟、彌十郎の息子。ずいぶん身長が高い。法鐸(のちの天一坊)をつとめる猿之助が出てきてからは独壇場。愛之助演じる山内伊賀亮を味方に引き入れるシーンまでは盛り上がって見ていたものの、尾上松緑がつとめる大岡越前守との問答のシーンあたりからやや睡魔が襲ってくる。

    それでうつらうつらしていたのだが、使いが戻らず今にも切腹というシーンで、浄瑠璃が背後から盛り上げまくる。語りも三味線も、音数が多いのではないのだが、やたらテンションが高くて驚くほど。舞台では、白装束で今にも自害しようというテンションなのと対照的で、その落差がドラマを作り上げる。その勢いにパッと目が覚めて、見入ってしまう。隣のおじさんも、うつらうつらしてたけど、起きて見入っている。最後は大岡裁きでちゃんちゃん。松緑さんが立派。

    銀座ライオンでビールを飲みつつ、オムハヤシライスで昼食。その後、同僚にProof of X – NFT as New Media ArtというNFTアートの展覧会があると教えられて、末広町へ。まずお茶しながら『勘九郎とはずがたり』の続きを読み、読了。抜群に面白い藝談。さらに、YouTubeで勘三郎動画を観る。「誰でもピカソ」で、歌舞伎座案内をした回がとても貴重だった。

    そこから歩いてすぐの3331 Arts Chiyodaへ行って、展覧会。IoTとAlifeとの組み合わせで、人工生命が子供を作っていくのをNFTで表現するみたいな取り組みなど、面白いものもあった。全体的には、NFTの意義を問うような、NFTの技術的・社会的なレイヤーそのものに関心を向けるものが多いように思われた。アートとしては、まだまだこれからというところだなあという気もした。DAOのようなものの方が、よっぽど参加型アートなり、ラディカント(ニコラ・ブリオー)的な動きとしても面白いんじゃないかとも思う。

    それはそれとして、会場でいただいた冊子に掲載されている論考が面白い。以前から気になっていた、湯島のもうちょっと先のお店でお茶しながら読む。一つは、NFTアートを現代アートとメディアアートの文脈に位置づけるというもの。現代アートの文脈はもとより、テクノロジー面の言説も最新のものまでまとめ上げていて、すごい書き手がいるものだと驚く。その次の、ジェネラティブアートについての論考も面白い。

    帰宅して、夕食をとりながら「鎌倉殿の13人」。今回は、義経の才能が遺憾なく発揮される回。木曾義仲といえば、自分の世代では、戦にはめっぽう強かったが田舎侍集団で京都を荒らして回り、それに困り果てた法皇が義経に討伐を命じたという感じで、悪者的な感じで教えられた記憶があるが、このドラマではそれよりはだいぶ中立的に描いている。ドラマの後にも、滋賀の義仲寺に芭蕉が何度も出向き、義仲の墓の隣に自分の墓を置かせたという話が紹介されていたので、義仲が悪く描かれていたのは鎌倉幕府による濡れ衣だったということもあったのかもしれない。

    さらに、17代勘三郎の特集動画をYouTubeで観る。18代勘三郎が「天才」と認めるこの人は、どれほどすごかったのだろうかと思う。

    それにしても一日中眠かったので、今日は早めに寝よう。

  • 2022年4月16日

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    昨晩は寝たのが遅かった、というか、朝まで起きていたので、昼頃に起床。準備して出かける。

    情報処理学会 IoT行動変容学研究グループ キックオフシンポジウム」に参加するために青山学院大学へ。正門すぐ脇の総研ビルというところ。最上階が広いホールになっていて、登壇発表と、座席をぐるっと囲んでのポスター発表の2本立て。ついた時にちょうどポスター発表が始まって、同僚のK君の発表を始めとして、ひととおり全部眺めていく。興味の近いところで面白い内容があったので、少し質問したりもした。若い学生さんがほとんどという印象。ポスター発表というのも、インタラクティブで面白そうだなあ。

    お茶しながら、アイシア=ソリッドさんの動画「(1) 【Axって何だろう?】行列とベクトルの積は電車の乗り継ぎ【行列②行列とベクトルの積】」、「(1) 【雑談配信】みんな、内省ってやってる?【価値関数と方策を更新しよーっと】」を観る。行列とベクトルの席を、行列の縦方向のベクトルを電車の向かう方向、かける方のベクトルを駅数とみなして、座標平面上を動かして見せるという例が、とてもわかりやすくて感心した。内省の方は、こうやって日記を書いてはいるのだが、内省というよりは記録の面が大きいので、そういうのもやる方がいいのかもなあと思ったりもする(が、公開前提じゃないと続かないんだよなあ)。

    その後、歌舞伎座へ。四月大歌舞伎の第三部「ぢいさんばあさん」、「お祭り」の二本立て。若い頃の伊織(片岡仁左衛門)とるん(坂東玉三郎)夫妻がイチャイチャし始めるので、るんの弟(市川隼人)がそわそわし出すあたり、とても面白い。急展開してからの、37年後に夫妻が再開する三幕目は、時間の経過と変わらない愛情の対比に心を打たれる。人生の物語だ。続いての「お祭り」は、玉三郎さんが若い者を2人従えての踊り。芸者の姐さんを、綺麗でもありカッコよくもありという若々しさで演じる。最後に客席に一礼するところの所作の見事さに、グッときた。

    夕食は、昭和通りを挟んだナイルレストランでいただく。ヨーグルトカレーを注文。スラ・ヴィンヤーズのシラーズが置いてあったので、グラスでいただく。単体で飲むと、ジビエのような臭みのある独特のワインなのだが、インド料理と相性抜群。奇跡的なワイン。少し足りなくて追加したチキンマサラがすごく辛くて、大汗をかいた。

    帰宅して、「半沢直樹」シリーズ2を観始める。昨日、観てる場合じゃないと書いたのだが、むしろこの後にもっとスケジュールがやばくなってからよりも、今のうちに観ておくほうがリスクが低いのではないかと思ってのこと(といういいわけだが)。前半の話は、最初から猿之助さんが飛ばしまくっていて、香川照之さんとの澤瀉屋の従兄弟対決(ストーリー的にも顔芸的にも)を繰り広げ、歌舞伎好きにはたまらない。後半の話は、どんでん返しは多いのだが、展開の意外性は薄くて、ちょっとだるかったかなあ。ひたすら観続けて、朝7時まで。

  • 2022年4月2日

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    10時ごろに起きて、チェックアウトの準備。ちょっと行ってみたいところがあって出町柳まで出向いたのだが、開いてない。しかたがないので祇園へ行き、お茶しながら橋本治『大江戸歌舞伎はこんなもの』の続きを読む。その後、八坂神社から円山公園へ一周歩く。席が空いていればビールの一杯でもと思ったのだが、生憎満席。スタバでコーヒーを飲みながら、『作者の家〈第1部〉―黙阿弥以後の人びと』の続きを読み、読了。

    その後、16時40分の回の都をどり「泰平祈令和花模様(たいへいのいのりれいわはなもよう)」全八景。3年ぶりの開催。

    • 第1景 置歌(銀襖)長唄
    • 第2景 上賀茂社梅初春(上賀茂神社)長唄
    • 第3景 夏座敷蛍夕(洛中町家)別踊 長唄
    • 第4景 京遊戯色々(都大路)別踊 長唄
    • 第5景 那須与一扇的(八島)別踊 浄瑠璃
    • 第6景 勝尾寺紅葉揃(勝尾寺)長唄
    • 第7景 宇治浮舟夢一夜(宇治八宮邸)別踊 長唄
    • 第8景 御室仁和寺盛桜(仁和寺)長唄

    前回は2010年4月10日に観たので、それ以来12年ぶりである。耐震工事中で、歌舞練場ではなく南座。しかも3年ぶりの開催。イベントごととしては、やはり以前に比べると寂しい感じもあるが、舞台は変わらず華やかで、感激する。それにしても「京遊戯色々」の竹馬と鞠で遊ぶ姉弟がかわいかったなあ。

    その後、京都駅でKの旧友家族と鰻をいただく。新幹線内では、1時間ほど眠ったのち、『大江戸歌舞伎はこんなもの』の続きを読み、読了。帰宅して、村祐亀口取り茜ラベル無濾過生原酒。上等の和三盆のような甘みを持つ村祐には親しんできたが、こちらは打って変わって柑橘的な酸味が強い、これもまた個性的な味わい。驚く。届いていた『作者の家〈第2部〉―黙阿弥以後の人びと』を読み始める。

    明日は朝から必修の授業を受ける必要がある。