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2016年2月に読んだ本をブクログでふりかえる

今月は13冊。語学とかセキュリティのこととかなんかいろいろ手を出していたせいもあって、あんまり読めなかったなあ。

今月の★★★★★本は、結城浩『暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス』内田宗治『「水」が教えてくれる東京の微地形散歩』漢 a.k.a. GAMI『ヒップホップ・ドリーム』の3冊。見事にジャンルが異なるけれど、これからしばらくは掘り下げていくことになりそう。

特にヒップホップについては、2月の終盤にドハマリして長谷川町蔵・大和田俊之『文化系のためのヒップホップ入門』も読んだし、来月もこの流れは続いていきそう。って、そんなことやってる場合じゃなくて、もっといろいろやることあるんだけど……。

kentaroの本棚 – 2016年02月 (13作品)
合格る思考
宇都出雅巳
読了日:02月06日
評価3


食の軍師 1
泉昌之
読了日:02月13日
評価3


消滅世界
村田沙耶香
読了日:02月20日
評価3


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漢 a.k.a. GAMI『ヒップホップ・ドリーム』

フリースタイルダンジョンに「モンスター」のひとりとして登場している漢 a.k.a. GAMIさんの自伝、菊地成孔さんも絶賛のこの本は、Kindle版出てたからとりあえず読んでみるかーつって軽い気持ちで読み始めたらマジでヤバくて、てかこのひとテレビ出したらマズいでしょってなイルっぷり。善良な一市民としては単純に怖いなあって感じだけど、こういうシーンもあったんだなっていう貴重な記録。

ヒップホップ・ドリーム

ヒップホップ・ドリーム

長谷川町蔵・大和田俊之『文化系のためのヒップホップ入門』

遅ればせながら「フリースタイルダンジョン」にハマりまして、その流れで日本のヒップホップについてググったりしてたのだけど、日本のシーンはともかく、ヒップホップそのものの成り立ちや歴史についてほとんど知識がないので、この本を買って読んだ。

あまりにもものを知らなさ過ぎるために、たくさん出てくる固有名詞に上の空になりがちではあるのだけど、わかりやすいし面白い。ちょいちょいYouTubeで聞いたりしながら読んでいた。CDやDVDのガイドも、あまり多くなり過ぎない分量で用意されていて親切。ここを起点に、ヒップホップも聴いていきたい。

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

文化系のためのヒップホップ入門 (いりぐちアルテス002)

  • 作者: 長谷川町蔵,大和田俊之
  • 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
  • 発売日: 2011/10/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 9人 クリック: 121回
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  • ヒップホップの壁を越えて
  • 第1部 ヒップホップの誕生
  • 第2部 イーストコースト
  • 第3部 ウェストコースト
  • 第4部 ヒップホップと女性
  • 第5部 ヒップホップ、南へ
  • 第6部 ヒップホップとロック
  • 第7部 ヒップホップの楽しみ方
  • 長谷川と大和田があとがきに代えてお送りする深夜のチャット
  • 人名索引

植村修一『リスク時代の経営学』

「リスクマネジメント」という観点からビジネス書の古典を読みなおす、みたいな感じだったので、どういう新しい見方が示されるのだろうと期待して読んだら、各章の最後に「このように○○はリスクにどう対処するかという話なのであった」と述べられて終わるってな、かなりの肩透かし本。

しかし、それぞれの本のまとめは的確で、単にまとめ本だと思って読めば役に立つ。本書を読んで、バーニーの『企業戦略論』をちゃんと読もうと思えたので、読んでよかったといえるかもしれない。

リスク時代の経営学 (平凡社新書)

リスク時代の経営学 (平凡社新書)

  • はじめに
  • 第1部 経営戦略編
    • 第1章 戦略なき経営がもたらすリスク
    • 第2章 「強み」を活かしてリスクを抑える
    • 第3章 イノベーションがもたらすリスク
    • 第4章 不確実性下の意思決定
    • 第5章 マネジメントが意味するもの
  • 第2部 リスク管理編
    • 第6章 人や企業はなぜ失敗するのか
    • 第7章 「沈まぬ帝国」はあり得るか
  • 終章 「リスク時代」の経営とは
  • あとがき
  • 参考文献

釘原直樹『人はなぜ集団になると怠けるのか – 「社会的手抜き」の心理学』

ひとは集団になると、無意識のうちに手を抜いてしまう。それは、ひとばかりではなく他の動物、ゴキブリにすら見られるという。その意味では、自然選択されてきた特質なんだろうので、一概に悪いこととばかりはいえないが、ともあれ人間の組織においてそれがなぜ起こるかというと、以下の3つが挙げられる。

  1. 努力の不要性(誰かがやってくれる)
  2. 道具性の不足・欠如(やったところで大勢に影響しない)
  3. 評価可能性(やったところでバレない・報われない)

身近な人々からなる集団に限らず、もっと大きな集団においてもそれは起こるし、組織の取り組む内容に限らず、たとえばスポーツのようなものでも起こる。そういう話がたくさんあれこれと書かれているのだが、その対策として述べられていることも、最終的には上記3つをできるだけ担保することといえそうだ。

人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)

人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書)

  • はじめに
  • 第1章 社会的手抜きと集団のパフォーマンス
  • 第2章 社会的手抜きと個人や集団の特質
  • 第3章 日常生活における社会的手抜き
  • 第4章 国家と社会的手抜き
  • 第5章 社会的手抜きとスポーツ
  • 第6章 社会的手抜きの悪影響
  • 第7章 社会的手抜きに反する現象
  • 第8章 社会的手抜きに対する対策

村田紗耶香『消滅世界』

子供は人工受精によって作るもの、家族はその子供を育てるのみの、性的な欲望がほぼ完全に排除されているのが当たり前という設定の小説。

そうはいっても、すべての人間がそのように思えているわけでもなければ、それはそれで家族そのものの不要性や、同性婚だって別にいいじゃないかというもっともな考えもある。そんな人々の生き方はどうなるの?というのを描くことで、読者の無意識に揺さぶりをかける、思考実験みたいな話。

いろいろ思うところはそれぞれだろうけど、ふだんのなにげなさを揺さぶるためにも、読んでみてもいいかも。

消滅世界

消滅世界

三谷宏治『「ハカる力」 プロフェッショナルをめざす人のための新ビジネス基礎力養成講座』

三谷宏治『観想力―空気はなぜ透明か』の続きで、新版的な位置づけで刊行されたこの本を読んだ。定量化しがたいものをどうやって切り口を見つけて定量化していくかという話。三谷さんの本は、いつもながらに事例を取材する範囲が広くて、単純に面白い。

プロフェッショナルをめざす人のための新ビジネス基礎力養成講座 「ハカる」力

プロフェッショナルをめざす人のための新ビジネス基礎力養成講座 「ハカる」力

  • はじめに
  • 序章 「ハカる力」が世界を変えてゆく
  • 第1部
    • 第1章 まずはスケールづくりとグラフ化から
    • 第2章 トップダウンとボトムダウン
    • 第3章 ダイジなものとメカニズムを見抜く
    • 第4章 基本「ハカる」演習
  • 第2部 「ハカる力」で未踏領域に挑戦する
    • 第5章 応用「ヒトをハカる」演習・ケース
    • 第6章 応用「つくってハカる」ケース
    • 第7章 応用「新しいハカり方を創る」ケース
  • おわりに
  • 参考図書・サイト

結城浩『暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス』

セキュリティスペシャリストの試験でも受けてみようかなと思って、その勉強の前にひと通り暗号や認証についてこの本でさらっておこうと思って読んだのだが、素晴らしい本で、そんな目的はともかくとても面白かった。

一応こういう仕事をやっているのでひと通りの概念は知ってはいるつもりなのだが、実践の中で必要に応じて知識を得ているだけなので、この分野についてこうやってまとまってちゃんと読むのは初めてだったので、勉強になった。繰り返しになるが、構成も説明も秀逸で、読み物としてとてもいい。オススメ。

暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス

暗号技術入門 第3版 秘密の国のアリス

  • はじめに
  • 本書の特徴
  • 本書の構成
  • 謝辞
  • 新版の刊行にあたって
  • 第3版の刊行にあたって
  • 第1部 暗号
    • 第1章 暗号の世界ひとめぐり
    • 第2章 歴史上の暗号 – 他人が読めない文章を作る
    • 第3章 対称暗号(共通鍵暗号) – 1つの鍵で暗号化し、同じ鍵で復号化する
    • 第4章 ブロック暗号のモード – ブロック暗号をどのように繰り返すか
    • 第5章 公開鍵暗号 – 公開鍵で暗号化し、プライベート鍵で復号化する
    • 第6章 ハイブリッド暗号でシステム – 対称暗号でスピードアップし、公開鍵暗号でセッション鍵を守る
  • 第2部 認証
    • 第7章 一方向ハッシュ関数 – メッセージの「指紋」をとる
    • 第8章 メッセージ認証コード – メッセージは正しく送られてきたか
    • 第9章 デジタル署名 – このメッセージを書いたのは誰か
    • 第10章 証明書 – 公開鍵へのデジタル署名
  • 第3部 鍵・乱数・応用技術
    • 第11章 鍵 – 秘密のエッセンス
    • 第12章 乱数 – 予測不可能性の源
    • 第13章 PGP – 暗号技術を組み合わせる職人芸

内田宗治『「水」が教えてくれる東京の微地形散歩』

竹内正浩『地図と愉しむ東京歴史散歩 地形篇』を読んでから随分間が空いたが、先日、気が向いて書店で手にとったこの本によって、また東京の地理と歴史に対する興味が蘇った。

その本よりもこちらはもっと地形より。高さを何倍にも強調した地図(現在と大正時代の古地図)にそって、東京の各地域の地形を、それを形作った川を中心に語られる。知らなかった話が満載だし、「散歩したあの場所がそんな由来だったなんて!」という驚きもたくさんあって、ものすごく面白かった。

また散歩しまくりたい。週末はできるだけ散歩するようにしよう。

「水」が教えてくれる東京の微地形散歩

「水」が教えてくれる東京の微地形散歩

  • はじめに
  • INDEX MAP
  • 本書の地図について/カシミール3Dについて
  • 第1章 川を動かし海を陸地に(江戸時代) – 銀座・日比谷・御茶ノ水・赤坂
  • 第2章 を見下ろす権力の館 – 目白台・早稲田・水道橋・小石川
  • 第3章 複雑な谷が生んだ文化 – 麻布・六本木・高輪・白金
  • 第4章 廃川跡 – 消えた川と取り残された川 – 渋谷・新宿・谷中・王子
  • 第5章 高い所に作られた川 – 玉川上水・三田上水
  • おわりに
  • 参考文献

リービ英雄『日本語を書く部屋』

温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』の流れで、言語的「越境」をしているひとの本を読んでいくシリーズ。リービ英雄さんについては名前はもちろんずっと知っていたけど、なんとなく気が向かなくて読んでいなかった。今回が初めて。

著者の場合、外交官の父親の転居にともない12歳頃まで台湾、それからアメリカに移り、その後日本にやってきたりなどと、文化的に恵まれていたのだろう環境に育っているので、その意味ではいろんな言語ができることについては有利な生育歴なんだろうけど、しかし、だからといって小説を書いたりはなかなかしないだろうので、すごいなあと単純に思う。

日本語を書く部屋 (岩波現代文庫)

日本語を書く部屋 (岩波現代文庫)

© 2020 栗林健太郎

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