第6週:関係代名詞と接続法

関係代名詞と関係文、接続法II式の基本、受動態(現在形)、話法の助動詞などの高度なドイツ語文法を学習します。また、これまでに学んだ語彙の復習と強化も行います。

36日: 関係代名詞と関係文

今日の学習目標

  • 関係代名詞の基本 - 関係代名詞の意味と基本的な使い方を学習します。
  • 関係文の構造 - 関係文の構造と語順を学習します。
  • 1格と4格の関係代名詞 - 1格と4格の関係代名詞の形と使い方を学習します。
  • 2格(属格)の基本 - 名詞の2格の形と所有を表す用法、並びに属格関係代名詞を学習します。

文法ポイント

関係代名詞と関係文の基本

関係代名詞は先行詞(名詞)を指し、それに関する情報を追加するために使われます。関係文は副文の一種で、動詞が文末に置かれます。

関係代名詞の形(1格と4格)
主格対格example
男性der(〜する人・もの)den(〜を)Der Mann, der dort steht, ist mein Vater.(そこに立っている男性は私の父です。)
女性die(〜する人・もの)die(〜を)Die Frau, die ich kenne, ist Lehrerin.(私が知っている女性は教師です。)
中性das(〜する人・もの)das(〜を)Das Buch, das ich lese, ist interessant.(私が読んでいる本は面白いです。)
複数die(〜する人・もの)die(〜を)Die Kinder, die im Garten spielen, sind laut.(庭で遊んでいる子供たちはうるさいです。)
関係文の語順

関係文は、接続詞を使った副文(Nebensatz)と同じ語順になります。つまり、動詞(定形)は文末に来ます。

名詞の格変化(2格の基本)

2格(属格 Genitiv)は主に所有・所属を示します。男性・中性名詞では多くの場合語尾に -(e)s が付き、女性名詞・複数形では語尾変化は通常ありません。定冠詞・不定冠詞も変化します。

主格属格
男性名詞derdes (-s/-es)
女性名詞dieder
中性名詞dasdes (-s/-es)
複数形dieder

今日の単語

der Mann

読み: デア マン

男性

die Frau

読み: ディ フラウ

女性

das Kind

読み: ダス キント

子供

das Buch

読み: ダス ブーフ

wohnen

読み: ヴォーネン

住む

例文

Der Mann, der dort steht, ist mein Vater.

そこに立っている男性は私の父です。

Die Frau, die ein rotes Kleid trägt, ist meine Lehrerin.

赤いドレスを着ている女性は私の先生です。

Das Kind, das im Garten spielt, ist mein Bruder.

庭で遊んでいる子供は私の弟です。

Ich kenne den Mann, den du gestern getroffen hast.

私はあなたが昨日会った男性を知っています。

Die Bücher, die auf dem Tisch liegen, sind neu.

テーブルの上にある本は新しいです。

37日: 3格の関係代名詞と前置詞を伴う関係代名詞

今日の学習目標

  • 3格の関係代名詞 - 3格の関係代名詞の形と使い方を学習します。
  • 前置詞を伴う関係代名詞 - 前置詞と共に使う関係代名詞の形と使い方を学習します。

文法ポイント

3格の関係代名詞
与格example
男性dem(〜に)Der Mann, dem ich helfe, ist mein Nachbar.(私が手伝っている男性は私の隣人です。)
女性der(〜に)Die Frau, der ich danke, ist sehr nett.(私が感謝している女性はとても親切です。)
中性dem(〜に)Das Kind, dem ich ein Geschenk gebe, ist mein Neffe.(私がプレゼントをあげる子供は私の甥です。)
複数denen(〜に)Die Studenten, denen ich Deutsch lehre, sind fleißig.(私がドイツ語を教えている学生たちは勤勉です。)
前置詞を伴う関係代名詞

前置詞と関係代名詞を一緒に使うことができます。関係代名詞の形は、前置詞が要求する格によって決まります。

今日の単語

helfen

読み: ヘルフェン

手伝う、助ける

danken

読み: ダンケン

感謝する

mit

読み: ミット

〜と一緒に

in

読み: イン

〜の中に/中で

von

読み: フォン

〜から、〜の

例文

Der Mann, dem ich helfe, ist alt.

私が手伝っている男性は年配です。

Die Frau, der ich danke, arbeitet hier.

私が感謝している女性はここで働いています。

Der Freund, mit dem ich reise, spricht gut Japanisch.

私が一緒に旅行している友人は日本語が上手です。

Die Stadt, in der ich lebe, ist Tokio.

私が住んでいる都市は東京です。

Das Café, von dem ich dir erzählt habe, ist dort.

私があなたに話したカフェはそこです。

38日: 接続法II式(基本)

今日の学習目標

  • 接続法II式の基本 - 接続法II式の意味と基本的な形を学習します。
  • 願望、非現実の仮定を表す表現 - 接続法II式を使った願望や非現実の仮定の表し方を学習します。
  • 丁寧な依頼・要求 - 接続法II式を使った丁寧な表現の仕方を学習します。

文法ポイント

接続法II式の基本

接続法II式(Konjunktiv II)は、非現実的な願望や仮定、丁寧な依頼などを表すために使われます。過去形の語幹にウムラウト(可能な場合)を加え、特別な語尾を付けて作ります。

主な動詞の接続法II式
verbindicativesubjunctiveexample
sein(〜である)warwäreWenn ich reich wäre, würde ich ein Haus kaufen.(もし私が金持ちなら、家を買うだろう。)
haben(持っている)hattehätteWenn ich Zeit hätte, würde ich dich besuchen.(もし私に時間があれば、あなたを訪ねるだろう。)
werden(〜になる)wurdewürdeIch würde gern nach Deutschland fahren.(私はドイツに行きたいです。)
können(できる)konntekönnteIch könnte dir helfen, wenn du willst.(あなたが望むなら、私はあなたを手伝うことができます。)
müssen(〜しなければならない)musstemüssteDu müsstest mehr lernen.(あなたはもっと勉強しなければならないだろう。)
würde + 不定詞 構文

多くの動詞の接続法II式は、würde + 不定詞 の形で表すこともできます。特に日常会話ではこの形式が一般的です。

接続法II式の用法

今日の単語

reich

読み: ライヒ

金持ちの

gern

読み: ゲルン

喜んで

wenn

読み: ヴェン

もし〜なら

vielleicht

読み: フィライヒト

おそらく

möglich

読み: メークリッヒ

可能な

例文

Wenn ich Zeit hätte, würde ich dich besuchen.

もし時間があれば、あなたを訪ねるだろう。

Ich wäre gern Arzt.

私は医者になりたいです。

Könnten Sie mir bitte helfen?

手伝っていただけませんか?

Was würdest du an meiner Stelle tun?

私の立場なら、あなたは何をするだろう?

Ich hätte gern einen Kaffee, bitte.

コーヒーをいただきたいです、お願いします。

39日: 受動態(現在形)

今日の学習目標

  • 受動態の基本 - 受動態の意味と基本的な形を学習します。
  • 現在形の受動態の作り方 - 現在形の受動態の作り方と使い方を学習します。
  • 行為者の表現(von, durch) - 受動態での行為者の表し方を学習します。

文法ポイント

受動態の基本

受動態は、行為を受ける対象を主語として表現する形です。「〜される」という意味になります。ドイツ語の受動態は、助動詞 werden + 過去分詞で作ります。

現在形の受動態

現在形の受動態は、werden の現在形 + 過去分詞で表します。

personpassiveexample
ichwerde + 過去分詞Ich werde gefragt.(私は質問されます。)
duwirst + 過去分詞Du wirst gelobt.(あなたは褒められます。)
er/sie/eswird + 過去分詞Er wird eingeladen.(彼は招待されます。)
wirwerden + 過去分詞Wir werden informiert.(私たちは知らされます。)
ihrwerdet + 過去分詞Ihr werdet gesucht.(あなたたちは探されています。)
sie/Siewerden + 過去分詞Sie werden erwartet.(彼らは/あなたは期待されています。)
能動態から受動態への変換
行為者の表現

受動態で行為者(〜によって)を表す場合は、次のような前置詞を使います:

今日の単語

bauen

読み: バウエン

建てる

schreiben

読み: シュライベン

書く

lesen

読み: レーゼン

読む

kaufen

読み: カウフェン

買う

verkaufen

読み: フェアカウフェン

売る

例文

Das Haus wird gebaut.

その家は建てられています。

Die Bücher werden von Studenten gelesen.

その本は学生たちによって読まれています。

Der Brief wird geschrieben.

その手紙は書かれています。

Wir werden zum Fest eingeladen.

私たちはパーティーに招待されます。

Deutsch wird in Deutschland gesprochen.

ドイツ語はドイツで話されています。

40日: 話法の助動詞

今日の学習目標

  • 話法の助動詞の基本 - 話法の助動詞の意味と用法の復習と応用を学習します。
  • 話法の助動詞の客観的用法と主観的用法 - 話法の助動詞の客観的用法と主観的用法の違いを学習します。

文法ポイント

話法の助動詞の復習
verbmeaning_objectivemeaning_subjectiveexample
können能力(〜できる)可能性(〜かもしれない)Er kann Deutsch sprechen.(彼はドイツ語を話すことができます。)
müssen必要性(〜しなければならない)確実性(〜にちがいない)Ich muss heute arbeiten.(私は今日働かなければなりません。)
dürfen許可(〜してもよい)推量(〜だろう)Du darfst hier rauchen.(あなたはここでタバコを吸ってもいいです。)
sollen義務・要請(〜すべきだ)伝聞(〜だそうだ)Du sollst fleißig lernen.(あなたは熱心に勉強すべきです。)
wollen意志(〜したい)主張(〜だと主張する)Ich will nach Deutschland fahren.(私はドイツに行きたいです。)
mögen/möchten好み/願望(〜が好き/〜したい)推量(〜かもしれない)Ich mag Kaffee.(私はコーヒーが好きです。)
話法の助動詞の客観的用法

客観的用法は、能力、必要性、許可、義務などの「客観的な」意味を表します。

話法の助動詞の主観的用法

主観的用法は、話者の判断、推量、伝聞などの「主観的な」意味を表します。

今日の単語

vielleicht

読み: フィライヒト

おそらく

wahrscheinlich

読み: ヴァールシャインリッヒ

たぶん

bestimmt

読み: ベシュティムト

きっと

angeblich

読み: アンゲプリッヒ

〜だそうだ

unbedingt

読み: ウンベディングト

絶対に

例文

Er kann gut Klavier spielen.

彼はピアノを上手に弾くことができます。(客観的用法)

Es kann morgen regnen.

明日は雨が降るかもしれません。(主観的用法)

Wir müssen heute lernen.

私たちは今日勉強しなければなりません。(客観的用法)

Er muss zu Hause sein, das Licht ist an.

彼は家にいるにちがいありません、電気がついています。(主観的用法)

Er soll sehr intelligent sein.

彼はとても頭が良いそうです。(主観的用法)

41日: 語彙強化(1):日常生活

今日の学習目標

  • 家族と人間関係の語彙 - 家族や人間関係に関する語彙を学習します。
  • 日常生活の活動の語彙 - 日常生活の活動に関する語彙を学習します。
  • 時間表現の語彙 - 時間に関する表現を学習します。

今日の単語

die Familie

読み: ディ ファミーリエ

家族

die Eltern

読み: ディ エルターン

両親

der Vater

読み: デア ファーター

die Mutter

読み: ディ ムッター

der Bruder

読み: デア ブルーダー

兄、弟

die Schwester

読み: ディ シュヴェスター

姉、妹

der Großvater

読み: デア グロースファーター

祖父

die Großmutter

読み: ディ グロースムッター

祖母

der Onkel

読み: デア オンケル

叔父、伯父

die Tante

読み: ディ タンテ

叔母、伯母

der Freund / die Freundin

読み: デア フロイント / ディ フロインディン

友人、恋人

der Nachbar / die Nachbarin

読み: デア ナッハバー / ディ ナッハバーリン

隣人

aufstehen

読み: アウフシュテーエン

起きる

frühstücken

読み: フリューシュテュッケン

朝食を取る

zur Arbeit gehen

読み: ツア アルバイト ゲーエン

仕事に行く

einkaufen

読み: アインカウフェン

買い物をする

kochen

読み: コッヘン

料理する

fernsehen

読み: フェルンゼーエン

テレビを見る

schlafen gehen

読み: シュラーフェン ゲーエン

寝る

42日: 第6週の総復習

今日の学習目標

  • 関係代名詞と関係文の復習 - 関係代名詞と関係文の作り方と使い方を復習します。
  • 接続法II式と受動態の復習 - 接続法II式の形と用法、および受動態の作り方を復習します。
  • 話法の助動詞の客観的用法と主観的用法の復習 - 話法の助動詞の客観的用法と主観的用法の違いを復習します。

例文

Der Mann, der in Berlin wohnt und den ich gestern getroffen habe, ist mein Freund. Wenn ich Zeit hätte, würde ich ihn öfter besuchen. Das neue Haus wird von einer Firma gebaut. Es muss sehr teuer sein, aber es soll sehr modern sein.

ベルリンに住んでいて、私が昨日会った男性は私の友人です。もし時間があれば、私は彼にもっと頻繁に会いに行くでしょう。新しい家は会社によって建てられています。それはとても高価に違いありませんが、とてもモダンだそうです。

この週の焦点
  • 関係代名詞と関係文
  • 接続法Ⅱ式(基本)
  • 受動態(現在形)
  • 話法の助動詞
  • 復習と語彙強化
  • 名詞の格変化(2格の基本)