2015annual ledger
2015年のふりかえり
面倒なので今年はいいかな……と思ったけど、やっぱりちゃんとふりかえっておかないとだめだなと思ったので、簡単にふりかえってみる。 ## 2015年の抱負 2015年の抱負には、仕事面、技術面、学習面、プライベート面でそれぞれ目標を述べておいた。仕事面においてはそれなりにやれた面もあったし、それはそれで最重要な事なので
温又柔『台湾生まれ 日本語育ち』
書店でたまたま見かけてぱっと買ってみた本だったのだけど、とても素晴らしかった。台湾における言語使用の実際に興味があって、[第4話 多言語社会 - antipop.fm (あんちぽえふえむ)](http://antipop.fm/4/)でも話していたりするのだけど、著者の家族の中でのそれは、もちろん文章が上手というのもあ
盛田茂『シンガポールの光と影』
2015年11月24日付の日経新聞で紹介([シンガポール映画の気骨 厳しい検閲にもひるまぬ表現者たち100人以上を取材 盛田茂 :日本経済新聞](http://www.nikkei.com/article/DGKKZO94293490R21C15A1BC8000/))されていた著者の本が刊行されていたので、購入して読ん
『身体と親密圏の変容』(岩波講座 現代 第7巻)
千葉雅也さんの文章を読むために買ったのだが、せっかくなのでその他のも読んでみた。千葉さんの文章は、唐突に社会的な話と結び付けられているように思えて、そこを納得さえすれば面白いけど、それでもなおそういう話と「人文学」とになんの関係があるのかはよくわからないのであった。 赤川学さんの文章は、要するに期待水準を変えないと少
中原淳『経営学習論:人材育成を科学する』
『職場学習論―仕事の学びを科学する』や『企業内人材育成入門』など、中原先生の本はあれこれと読んでいて、勉強になると同時に実践的にも非常に役立っているのだが、この本はまだちゃんと読んでいなかったので、あらためて読んだ。 「学習」というのは、経営学に限らず、20世紀後半の社会科学全般においてキーワードとして広く探求されて
宮本喜一『ロマンとソロバン』
最近のマツダの躍進について書かれたこの本を買って読んだ。自動車業界については、思うところあってトヨタに関する古めの本を読んだりしているのだが、最近の他の会社の事情も知りたいと思っていたところ、ちょうどタイミングよく出たので。マツダの車は、素人目にもよく見えるし。 製造業のサービス化がいわれて久しいし、自動車はモノその
筒井淳也『仕事と家族』
最近刊行された、いろんな意味で関心があるテーマの本がKindle化されたので、買って読んだ。 女性の労働進出が制度的・構造的に進んでいる国、具体例としてはアメリカとスウェーデンで、出生率が比較的よい水準である、すなわち、政府の大小に問題があるのではないのだという議論は啓蒙的。 そこから、日本に関しては、スウェーデン
組織の公安9課モデルについて
「組織の公安9課モデル」とは何か。「攻殻機動隊」好きにはお馴染みの公安9課だが、9課課長の荒巻大輔の以下のセリフが象徴するような組織のことをいう。 > 我々の間にチームプレイなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ。 昨今は「[ホラクラシー](http://jin
家山光雄『プロダクト・マネジャー制 製品開発と販売競争のための新体制』
藤本隆宏+キム・B・クラーク『増補版 製品開発力』からの流れで、プロダクト・マネジャーの歴史的展開を知りたくて、買って読んだ。1966年刊行の本、すなわち約50年前の本なのだけど、ただひたすら「何も変わってないな」と思うばかり。むしろ、Web業界でなぜいまPMなのか?の方が疑問に思えてくる。 [プロダクト・マネジャー
ポール・J・シルヴィア『できる研究者の論文生産術』
書店で見て気になったので購入して読んだ。 > 書くというのは気の滅入る作業だ。下水管の修理や、霊安室の運営にもかなり似ていると思う。自分で死者の装いを整えた経験はないが、遺体の防腐処置と比べても、防腐処置についての文章を書くというのは、さらに気が滅入る作業のような気がする。 (p.12) のっけからこんな感じなの
藤本隆宏+キム・B・クラーク『増補版 製品開発力』
藤本隆宏『生産システムの進化論』をさらにさかのぼって、この本を読む。Webサービスの外延がモバイルや、さらにはIoTのようなところに広がっていくのに際して、我々のサービス開発はますます自動車産業の80〜90年代をなぞっていっているように思える。そういう意味で、非常に重要な示唆をたくさん得られた。 また、昨今その必要性
ニー仏(魚川祐司)『だから仏教は面白い!』
魚川祐司『仏教思想のゼロポイント』の続きで読んだ。というか、その本の導入として読むのがよさそうな本。 『ゼロポイント』でも、この本の途中までも、なぜ「実践」が必要なのかよくわからなかったのだが、悟ったあとの状態に対する知覚、すなわち脱すべき対象との比較ができなければそれは「我慢している状態」と変わらないよね、それを知
唐澤太輔『南方熊楠 - 日本人の可能性の極限』
南方熊楠について、気にはなっていたけれどもなんというか忌避するところがあって、いままでほとんど触れずにきたのだけど、この中公新書の伝記的な本がKindle化されていたので、寝床読書のお供として買って読んだ。そんなわけなので伝記的な話をほとんど知らなかったので、その意味では面白かった。 ただまあ、哲学とかを専攻している
「エンジニア実績システム」を導入した
はてなさんの「[実績を解除してエンジニアスコアを上げろ!はてなのエンジニア実績システムのご紹介 - Hatena Developer Blog](http://developer.hatenastaff.com/entry/2015/07/24/174959)」というエントリにある「エンジニア実績システム」がすごくいい
二子玉川の蔦屋家電に行った
今年の5月3日に二子玉川にオープンした[蔦屋家電](http://real.tsite.jp/futakotamagawa/)に行ってきた。代官山蔦屋からそう遠く離れていないところに住んでいるので、そちらには毎週のようにいっていて、家電の方も気になっていたのであった。 入店してまず思ったのは「思いの外書店だな」という
保城広至『歴史から理論を創造する方法』
社会科学の方法論には興味があって、これまでにも本書でも言及されているKKV『社会科学のリサーチ・デザイン』や、久米『原因を推論する』、高根『創造の方法学』などなどあれこれ読んだりした。本書はその最新版って感じ。 イシュー・時間・空間を限定(中範囲)した上で、その中であり得る事例を全枚挙し、アブダクションにより導出され
戸田山和久『哲学入門』
レイチェル・クーパー『精神医学の科学哲学』など、科学史や科学哲学の本をちょっとずつ読んだので、1年ちょっと前の刊行当初に買って読みさしてあったこの本をあらためて読んだ。 「意味」や「機能」など、目次の章タイトルになっている言葉について、「ありそでなさそでやっぱりあるもの = 存在もどき」を、いかにして「モノだけ世界観
青木峰郎『10年戦えるデータ分析入門』
版元のSBクリエイティブさんからいただきました。ありがとうございます。 [](http://www.amazon.co.jp/exe
ローレンス・M・プリンチペ『科学革命』
「[社会のブックガイド──ルーマンからはじめる書棚散策](http://socio-logic.jp/events/201504_bookfair.php)」からの流れで、古川安『科学の社会史』、奥田栄『科学技術の社会変容』と来て、ブックフェア主催者がほめていた本書を読む。 『科学の社会史』よりもさらにスコープを狭め
ケント・ベック『エクストリームプログラミング』
角征典氏が新訳したExtreme Programming Explained第2版。XPについてあらためて原典を読んでみて、いかにそこから多くがいまや「エクストリーム」というよりもむしろ「ありふれた」ものになっているかについて思いを馳せた。 XPについては、少なくともこの本には方法の記述にわかりにくさがあるとは思うけ
エンジニアtypeで本を紹介するインタビューにこたえました(+その補足)
みんな大好きエンジニアtypeさんに、「[エンジニアとして錆びないために読む本](http://engineer.typemag.jp/category/knowhow/cto-book)」というインタビュー連載コーナーがあるのですが、その3回目として下記の通り登場いたしました。是非、ご笑覧くださいませ。 [GMOペ
メタ・マネジメント: ビジネスと技術とDXの均衡点を探ることと、その均衡をぶち破ること
今日、[エンジニア職位制度に基づく面談](http://pepabo.com/recruit/interview/201504_01)をしていて、自分の職務のうちのひとつを言語化したということがあったので、メモっておく。 ## CTOとは何か? CTOというのがなにをする役職であるかについては、基本的には以下のスラ
三浦瑠麗『日本に絶望している人のための政治入門』
[上野千鶴子さんがなんかいってた](https://twitter.com/ueno_wan/status/604168358733348864)のを見て、読んでみるかーってんで買って読んだ。左右はともに非現実的に見えるし、リアリズムばかりでも「理想」がない、そこに現実を見ながら共感(compassion)をもとによい
『たまらなく、アーベイン』というタイトルの謎
『なんとなく、クリスタル』の33年後を描いた新作『33年後のなんとなく、クリスタル』が刊行されたかと思いきや、あの『たまらなく、アーベイン』が『33年後〜』の色違いのような装丁でもって復刊された、しかも中公文庫版でなぜか改変された『僕だけの東京ドライブ』(僕はこれを読んだ)を廃し、オリジナルのタイトルでもって、という事
エドガー・H・シャイン『キャリア・アンカー』
エンジニアの職位制度について、よりよいものにしていくために見直しを考えている。そのための学習として、本書を読んだ。 そもそもキャリア・アンカーとは何か? > あなたのキャリア・アンカー(原文傍点)とは、あなたがどうしても犠牲にしたくない、またあなたのほんとうの自己を象徴する、コンピタンス(訳注: 有能さや成果を生み
ピラフとエンジニアリング
今晩、同僚との飲みの場で行った会話を、以下に再現する。 ------------------------------------------------------------------------ **きたけー**: 週末、[炊飯器でピラフ作った](https://twitter.com/kitak/statu
レム・コールハース『S,M,L,XL+』
例のレンガよりでかい本が、日本版オリジナルで編集の上で、ほぼテキストのみで文庫化されるとのことで、どんなことになるんだろうってんで興味を惹かれて購入。 「ジェネリック・シティ」はいま読んでも十分に面白くて刺激的だし、「ビッグネス、または大きいことの問題」は日本の文脈だと震災後と東京オリンピックへ向けてタイムリーで、「
エンジニアとしていかに成長するかについて、GMOグループの新卒エンジニア・クリエータの皆さんにお話した
GMOグループには[GMOテクノロジーブートキャンプ](http://recruit.gmo.jp/gtb/)という新卒エンジニア・クリエータ向けの研修メニューがあって、そこでなんか話してくれという要請があったので、「エンジニアになる」というタイトルで、エンジニアとしての成長について、少しお話をしてきました。 自分自
「代表的プロダクト」について
ひとくちに「Webエンジニア」といってもその内実は様々だし、得意分野や成果の出し方も違う。ここではそのような多種多様のいずれが良いとか悪いとかそうしたことをいいたいのではないということをあらかじめ注記しておく。 職業生活において成果を充分に上げている(あるいは上げようと努めている)ことは前提として、組織上公式にプライ
GMOペパボ株式会社の執行役員CTOに就任しました
昨日(3/21)、GMOペパボ株式会社の執行役員CTO[*1](#f-e58258b3 "この役職が会社組織上どういう意味については「CTOとか役員とかに関する基本的な知識 - UNIX的なアレ」がわかりやすいと思いますので、気になる方はご参照ください。")に就任しました。昨年8月に技術責任者に就任したのですが、今後は
全社的に使っているチャットツールをSlackに移行した話
ペパボでは、チャットツールとしてIRCを長らく使っていたのですが、先日、[Slack](https://slack.com/)に全面的に移行しました。その話を少し書いてみようと思います。 **追記: [社長的にSlackに移行したほうがいい理由 \| ペパボ社長ブログ](http://pepabo-ceo.jugem
新刊『スクラム実践入門』の紹介、あるいは、日本のソフトウェア開発の夜明け
発端は確か一昨年のCROSSで、[@hsbt](https://twitter.com/hsbt)さん、稲尾さんの間で話が盛り上がったのが最初だったと記憶しているから、あれから約2年、強力なメンバーで共同執筆した『スクラム実践入門──成果を生み出すアジャイルな開発プロセス』が、~~いよいよ3/18に刊行される。~~ *
大きな構想を持つこと
DeNAのZIGOROuさんによる[技術選択とアーキテクトの役割](http://www.slideshare.net/zigorou/ss-44864139)というスライドを拝見して、大いに感じるところがあったので、少し書く。といっても、技術的な話というよりは、もうちょっと違うレイヤの話(技術選択についても思うところ
エンジニア専門職のグレードについて詳細な役割定義は必要か?
様々な人々から、エンジニアに関する制度についてインタビューされる機会が増えてきた。その中で考えが整理されてきたパーツもあるので、せっかくなのでまとめておこうと思う。 ------------------------------------------------------------------------ 「ペ
Serverspecの作者がつくる、あるひとつのOSS文化 - 書評『Serverspec』
著者のmizzyさんこと宮下剛輔氏よりご恵贈いただきました。ありがとうございます。 [](http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4873117097/antipop-22/)
Androidアプリ開発をはじめた
Nexus 5を常用しているAndroidユーザになってしばらく経つので、そろそろAndroidアプリを作りたい気持ちになってきた。先日、そのためにMacBook Proを新調したほどの、気の入れようである。ちょうど3連休だったので、2日目・3日目を使って、あれこれ調べながら、初めてのAndroidアプリ開発をしてみた